好きなパスタを訊かれたら『プッタネスカ』を5本の指から外さない。日本人には馴染みがないので、この機会にぜひ作ってほしい。『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するらしいが、週刊少年ジャンプで唯一読んでなかった漫画がジョジョである。だから初めて知ったのは小林幸司シェフのYouTube。合コンで「好きなパスタ?プッタネスカ」といえばモテるだろう。「得意料理?プッタネスカだよ」といえばモテるだろう。誰か検証してモテパスタの栄冠を与えてほしい。
プッタネスカの意味
プッタネスカ(Puttanesca)とは「娼婦風のパスタ」の意味。小林シェフ曰く、古語では「得体の知れない」という意味もある。娼婦風の由来は「娼婦が客に出したから」「娼婦が休憩の合間にチャチャっと作って食べたから」が有力。他にも「娼婦のような刺激があるパスタ」の説があり、個人的にはこれがしっくりくる。小林シェフの「得体の知れない」ともリンクする。プッタネスカは文化的な意味も素晴らしく、食材も他のパスタと一線を画している。
プッタネスカの発祥
発祥はナポリ湾の西部に浮かぶ火山島「イスキア島」。火山島で生まれたというのがプッタネスカらしい。生年月日はハッキリしないが、1950年代以降。当初、ナポリでは「マリナーラ」と呼ばれたそうだ。
マリナーラとの違い
マリナーラは「船乗り」の意味であり、トマト、ニンニク、そしてオレガノが入ったソース。プッタネスカがオリーブやケーパーを使うのに対し、マリナーラはオレガノを使うことが特徴。娼婦が作った魔性のあるパスタに対し、かなり男性的。
アラビアータとの違い
アラビアータは「怒りん坊」の意味で、唐辛子(ペペロンチーノ)が主役。オリーブもケーパーもアンチョビも使わない。
プッタネスカの材料・食材
- ディチェコのフジッリ:100g
- コッポラ社のプッタネスカソース:75cc(大さじ3杯)
- ケーパー:5粒
- 黒オリーブ:5粒
- 緑オリーブ:5粒
- アンチョビ:1フィレ
- カラブリア産の唐辛子:1つ
- 青森県産のニンニク:1片
重要なのは、食材を1つでも欠かさないこと。その代わり安いものでOK。オリーブは種無しで。ミニトマトやトマト缶からソースを作るのが常人だが、絶対に試してほしいのがコッポラ社のプッタネスカソース。すでにオリーブやケーパーで味付けしてあり、プッタネスカソースが完成している。そこに味のバイキルトでケーパーやオリーブなど本来の食材を合わせ、他のパスタとはまったく違う旨味が完成する。コッポラ社のソースを使わなければ好きなパスタ・ランキングには入らなかった。冴羽獠にコルトパイソン357マグナムがないと物語が始まらないように、プッタネスカにはコッポラ社のトマトソース。
奇跡の相性・フジッリ
パスタの聖書の完全オリジナルが、フジッリで作るプッタネスカ。これは声高に自慢できることで、フジッリとプッタネスカをマリアージュさせたことが最大の誇り。ユリイカ、我発見せり。プッタネスカをフジッリでつくる人は少ないが、絶対にフジッリ。ロングパスタも悪くないが、フジッリには遠く及ばない。
フジッリはサラダに使われることが多いが、プッタネスカのために生まれてきたパスタと断言できる。なにせ、ナポリがあるカンパニア州を発祥とするショートパスタ。ライフル銃を意味するfusileが語源なのも娼婦風・得体の知れないものと親和する。日本では「くるくるパスタ」や「カールマカロニ」とも呼ばれる。いろんなメーカーがあるが、何種類も試した結果、ディチェコの優勝。値段も安く、スーパーでも手に入りやすい。
プッタネスカの作り方・レシピ
- ニンニクをみじん切りにする
- ニンニク、唐辛子、アンチョビ、オリーブ、ケーパーをフライパンに入れる
- オリーブオイルで炒めてニンニクが色づいたらトマトソースを入れる
- 茹でたパスタを混ぜて完成
小林シェフに近いレシピはないが、とりあえず困ったら小倉シェフ。作り方はシンプル。材料をぶち込んで炒めるだけ。小林シェフのポイントはトマトソースを煮詰めすぎないこと。トマトの味が整いすぎてプッタネスカの得体の知れなさが無くなってしまう。プッタネスカは荒々しさが魅力。ササッと手際よくレディファーストで。とにかくフジッリでつくること。イタリアの娼婦に会うことがあれば、フジッリのプッタネスカを食べてもらいたい。もし、美味しいプッタネスカのお店を知っている方がいれば、コメントで教えてください🎶
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パスタは道具にこだわるほど美味しくなる、楽しくなる、愛おしくなる