パスタの底力を表すのに納豆パスタほどの最適解はない。おそらく世界一簡単な調理なのに、食材を最高峰に登頂させる。一番好きなパスタの論争には「カルボナーラ」「ペペロンチーノ」などの両雄に加え、納豆パスタがランクインすることは珍しくない。私を納豆山に連れていって。
- 納豆の歴史と文化
- 納豆パスタ【リュウジ式】
- 禁断の納豆にんにくパスタ
- 納豆トマトパスタ
- しめじの納豆パスタ(リゾッタータ)
- しめじの納豆パスタ(レンジ)
- トマトソースの納豆パスタ(ショートパスタ)
- タケノコの納豆パスタ
- 納豆パスタにまつわるエトセトラ
納豆の歴史と文化
ネバネバ食品の代名詞・納豆とは大豆を納豆菌で発酵させたもの。歴史は古く、平安時代中期の『新猿楽記』の中に登場する。すでに縄文時代や弥生時代にあったのではないかとも言われている。納豆は粒の大きさによって種類が分かれ、ひきわり⇨超極小⇨極小⇨中粒⇨大粒の順に多く苦なっていく。
生産量日本一は茨城県、消費量日本一は福島県。逆に消費量が最も少ないのは和歌山県。奈良県出身の吾輩も上京するまでは納豆は食べなかった。むしろ嫌いだった。上京して日本橋で納豆蕎麦にチャレンジしてから大好きに。納豆は和食の代名詞だが世界中にある。アジア圏では中国や韓国、ネパールやブータンなどはもちろん、インドやタイ、インドネシアにも納豆はある。アフリカにも大豆を発酵させた食品があるようだ。
納豆とパスタの相性がいい理由
5大栄養素が全部入っている納豆。タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維。パスタとの相性もバツグン。納豆には旨味成分のグルタミン酸が豊富に含まれる。昆布の出汁と同じ。和風パスタが美味しいように、納豆のグルタミン酸がパスタの旨味を援護射撃する。そして食感的にも納豆のネバネバはパスタのもちもちと喧嘩しない。むしろ口当たりが良くなり、一緒に食べることで食感のバランスが良くなる。
納豆パスタは大粒?小粒?ひきわり?
納豆パスタを作るとき、ニワトリかタマゴか論争と並ぶのが「大粒」か「小粒」か「ひきわり」か。この三角関係は永遠に議論される。どれを使うべきかはシンプルに好みだが、リュウジさんは「小粒派」、鳥羽シェフは「ひわりわり主義」。粒が細いほうが調味料感があり、パスタの麺を引き立てる。ただし、自分は「大粒党」の党首。せっかく納豆パスタを作るなら主役は麺ではなく納豆にしたい。存在感を際立たせるために、嫌味のように大粒納豆が基本。そこから色んな納豆パスタの種類に合わせて小粒や、ひきわりも使っていく。ぜひ色んな納豆パスタをお試しあれ。
納豆パスタ【リュウジ式】
まずは納豆パスタに開眼するようになったリュウジさんのバズレシピ。初めて作ったときから美味しさが衝撃で、人生で一番つくっているパスタ。
納豆パスタの材料・食材
- Barilla(バリッラ)の1.4mm:適量
- 納豆:1〜2パック(小粒)
- 醤油:小さじ2
- 味の素:4振り
- 塩:1つまみ
- バター(有塩):8〜10g
材料はリュウジさんのバズレシピ。フランパンで茹でる「リゾッタータ」と呼ばれる調理法。フライパンでお湯を沸かし、醤油と味の素を加えてパスタを茹でる。正直、バリラのパスタであれば、具なしでも美味いパスタが出来上がる。秘密は邪道・大仁田厚こと味の素。リュウジさんは「化学調味料」とは呼ばず、「うま味調味料」と表現する。化学調味料うんぬん抜かすシェフは、これより美味しいレシピを紹介してみろ。つまらない雑音は、電流爆破で吹っ飛ばせばいい。パスタを茹でたらバターを投入し、なめらかさとコクをプラス。あとは上から納豆を乗せるだけ。なんという簡単さ、これで他のパスタをも凌駕してしまうのだから神様は罪深い。
納豆パスタの作り方・レシピ
- フライパンで水320ccを沸かす
- 醤油小さじ2、味の素4振り、塩1つまみ
- 1.4mmのパスタ100g入れ中火で5分煮る
- 煮汁を飛ばしバター10gを絡める
- 納豆1パックに付属タレとからしを混ぜる
水320ccに醤油小さじ2、味の素4振り、塩1つまみを入れて沸かす
お湯が沸いたらパスタを入れる。半分に折って入れてもOK。茹で時間通りに茹でても、汁が余っていたら無くなるまで茹でる。時間オーバーしても大丈夫。WBCの延長タイブレークと同じ。
パスタがお湯を吸ったらバターを降臨。弱火にしてよく混ぜる。美味しいバターを降臨させる。リュウジさんは仕上げに小ネギと刻み海苔、味変で黒胡椒を加えるが、これはお好みで。パスタと納豆のマリアージュを楽しみたければ、余計な具は入れない。
リュウジさんはママーのパスタで作るが、ここはバリラを勧める。太さは1.6mmなどなんでも良いが、パスタの味はこだわったほうがいい。特にリゾッタータの調理法はモロにパスタ(小麦)の味が出るので、イケ麺パスタを使ったほうが感動が増す。騙されたと思って、バリ・バリ・バリラを使って欲しい。バリバリ伝説が完成するから。
↓納豆パスタの食材↓
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パスタは道具・調味料にこだわるほど美味しくなる、楽しくなる、愛おしくなる
究極をさらに極める
すでに究極の納豆パスタをさらに極めたい。スーパーサイヤ人が界王拳を使うような旨さを目指す御仁は、醤油を鮎の魚醤に、バターをカルピスの特選バターに変えてもらいたい。ワンランクもツーランクも美味しさが向上し、高級感が激増する。「美味しんぼ」でいうなら、究極のメニューと至高のメニューがコラボしたようなもの。ここに良いオリーブオイルを一滴たらせば、家庭料理が一気にミシュランの三つ星レストランの味に変わる。ぜひお試しあれ。
禁断の納豆にんにくパスタ
ニンニク・マッドネスの同志がいたら、ぜひ試して欲しいのが「納豆にんにくパスタ」作り方は算数の九九より簡単。先ほどの納豆パスタの最初に擦りおろしたニンニク2片をオリーブオイルで炒めるだけ。あとの工程は同じ。
禁断の納豆にんにくパスタの作り方
ニンニクは必ず、すりおろすべし。でないと納豆に存在感で負けてしまう。ニンニクを1片に減らそうなどと邪な考えは起こさぬよう願いたい。2日間は部屋中がニンニクの匂いで満たされるが、その覚悟で臨むべし。同居人がいたら追い出さられる可能性はあるが、エデンの東に追放されようが、それでも作るのが真のニンニク・マッドネス。風邪を引いたときなど最強。なにせニンニク×納豆。猪木・馬場のBI砲ならぬ納豆、ガーリックのNG砲。納豆とニンニクの匂いで風邪も逃げ出す。NGなものほど、ひとを魅了する。虜にする。禁断の納豆にんにくパスタ。これに極まれり。
作り方はフライパンの中でパスタを茹でるだけなので簡単。0歳児でも作れてしまう。
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禁断のスパイス『ほりにし』
ニンニクのすりおろしが苦手な方は、最初に紹介した納豆パスタにアウトドアスパイス『ほりにし』をかけてもいい。20種類以上のスパイスを調合しているが、メインの味はニンニクで、要はガーリックチップスと考えていい。肉や魚、ご飯のふりかけになるので、ニンニク・マッドネスに超おすすめ。
『ほりにし』以外ではオリーブオイルも忘れずに。意外と知られていないが、納豆とオリーブオイルの相性は翼くん岬くんの如し。一気に高級感が増すので、良いオリーブオイルで気分上々↑↑
納豆トマトパスタ
納豆の包容力はトマトともスウィングする。想像の10倍は美味しいので作って欲しい。リコピン大魔王には源田壮亮の守備くらい"たまらん"納豆パスタ。
納豆トマトパスタの材料
- ガロファロの1.7mm:100g
- 小粒納豆:1パック(お好みで)
- トマト:半分(1/2個)
- アンチョビ:2フィレ
- 青森県産のニンニク:1片
- 料理酒(白ワイン):30cc
- 大葉:3枚(もっと多くて可)
パスタは何でもOK。太麺のほうがおすすめ。納豆は大粒でもお好みで。食材のポイントはアンチョビ。納豆やトマトの旨味を加速させる必需品。臭みを飛ばすアルコールは料理酒でも白ワインでもOK。最後の大葉久美子が超ポイントなので絶対に欠かさない。
納豆トマトパスタのレシピ
- トマトを角切りにする
- みじん切りのニンニクを炒める
- パスタを茹ではじめる
- アンチョビを加えて炒める
- トマトを炒める
- 納豆を加える
- 料理酒を入れる
- 茹でたパスタを混ぜる
- 皿に盛って大葉、オリーブオイル
トマトを角切りにする。大きさはテキトーでOK。どうせ煮ると崩れるので。
みじん切りにしたニンニクを炒める。沸騰するまで中火か強火。シュワシュワとシュワルツネッガーになったら弱火にする。
ニンニクがボディビルダー色になりかけてきたらアンチョビ投入。アンチョビが入るとニンニクの熱入れが加速するので、焦げないように注意。
ニンニクがボディビルダー色になったらトマト投入。
軽く炒めたら納豆も入れる。
料理酒を入れて臭みを浪漫飛行する。
茹でたパスタを投入して、よく混ぜる。マンテカトゥーラ。
最後に大葉久美子を乗せて、美味しいオリーブオイルを回しかけよう。
↓↓納豆トマトパスタの食材↓↓
イカスミ納豆パスタも魅惑
納豆の包容力はイカ墨ともコラボする。作り方は一緒。スパゲティをイカ墨入りのパスタにするだけ。ラ・モリサーナから発売。なんと麺が黒色。まさに麺 in ブラック。
正直イカ墨の旨味は薄いので気分だけだが、見た目も美味しさのひとつ。最後にイタリアンパセリを散らすと気分上々↑↑ 本格的なイカ墨パスタを作ってもおすすめ。
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しめじの納豆パスタ(リゾッタータ)
納豆に合うパートナーといえばオクラのイメージだったが、プロの料理人や料理ユーチューバーには「しめじ」らしい。ワンパンで簡単で作れて、かつ美味い。これは採用。卵黄が加わることでエアリーな納豆パスタになる。
しめじの納豆パスタの材料
- Barilla(バリッラ)の1.4mm:適量
- 納豆:1パック(小粒でも大粒でも好みで)
- しめじ:60g(1パック)
- 麺つゆ:大さじ1
- 塩昆布:ひとつまみ
- カルピス社のバター:20g
- 卵黄:1個
「和」攻め。徹底的に和で攻める。しめじの量はテキトー。もっと多くて大丈夫。麺つゆは3倍濃縮。他の濃縮でOK。バターは鳥羽シェフの言うとおり無縁で試したが、有塩がおすすめ。もっとパンチがあってもいい。鳥羽シェフは5gだけど、大量投入にせよ。バターなんて、こんなんナンボあってもいいですからね。卵黄は必須。彩りとしても、味のまろやかさも。満月がある空と月が無い空くらい違う。
しめじの納豆パスタの作り方
- フライパンに水350cc入れる
- 塩、麺つゆを入れて沸かす
- パスタとしめじを入れて5分茹でる
- バター、塩昆布を入れ混ぜ合る
- お皿に盛り付ける納豆、卵黄を乗せる
- お好みでオリーブオイルをかける
水と麺つゆを入れる。塩はひとつまみ。
しめじは手で割いておく。包丁は使わない。キノコは金物を嫌うby小林幸司
沸騰したらパスタとしめじを同時ダイブ。
水分が無くなったらバターと塩昆布。
メインイベンターの卵黄を乗せて完成。
↓しめじの納豆パスタの食材はこちら↓
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しめじの納豆パスタ(レンジ)
フライパンを使うのもメンドクセーという方にレンチンの納豆パスタを紹介。味は落ちると思いきや、電子レンジ恐るべし。格付けチェックやったら絶対にレンジで作ったとは思われない。ご家族がいる方のつよーい味方です。
しめじの納豆パスタ(レンジ)の食材
- Barilla(バリッラ)の1.4mm:適量
- 納豆:1パック(小粒でも大粒でも好みで)
- しめじ:40g(1パック)
- 麺つゆ:大さじ1
- カルピス社のバター:20g
- 柚子胡椒:5センチ分
ポイントは柚子胡椒。多ければ多いほどベリーグッド。
しめじの納豆パスタ(レンジ)のレシピ
- しめじをほぐす
- 耐熱容器にパスタを折って入れる
- しめじ、水250cc、塩を入れる
- 600Wのレンジで3分増しでチンする
- 納豆、麺つゆ、バター、柚子胡椒を和える
- お皿に盛り付けて完成
麺つゆとバターを先に入れると熱が加わって味が薄くなってしまうので注意。
レンチンはパスタの表示ゆで時間+3分。バリラは5分茹でなので、8分チンする。
チンしたら一気呵成に攻める。柚子胡椒を多めすることがポイント。ディオールの香水のように、いい匂いが立ってくる。
↓しめじの納豆パスタの食材はこちら↓
トマトソースの納豆パスタ(ショートパスタ)
納豆パスタの包容力は止まることを知らない。トマトソースとも完全一致してしまう。矢沢永吉と那須川天心の「止まらないHa〜Ha」
トマトソースの納豆パスタの材料
- ガロファロのペンネ:100g
- コッポラ社のトマトソース:100cc
- ひきわり納豆:1パック
- 小粒納豆:1パック(無くてもOK)
- ベーコン:50g(無くてもOK)
今回はショートパスタで。もちろんロングでもなんでもOK。ひきわり納豆はソースにするつもりだったけど、ちゃんと食感が残った。上に乗せた小粒納豆は無くてOK。ベーコンは無しでもいいし、ソーセージとかでもいい。ホント納豆パスタは広角打法。
トマトソースの納豆パスタのレシピ
- ベーコンを短冊に切る
- フライパンでベーコン炒める
- 納豆を混ぜておく
- トマトソースを入れて煮詰める
- ひきわり納豆を入れる
- パスタを投入する
- 仕上げの納豆を乗せる
ベーコンは太めの短冊切り。納豆だけだと食感が寂しいので存在感を出そう。
フライパンにオリーブオイルを引いて炒める。バターでも絶対に美味いよね。
ベーコンに焼き色がついたらトマトソースを投入。ベーコンはもっとカリカリにしてもいい🦆
トマソーが煮詰まってきたら、ひきわり納豆の入場。ソースによく混ぜよう。汁気がなくなったらパスタの茹で汁を加える。
ペンネを投入してよく混ぜる。ここでも汁気がなかったら茹で汁で援護射撃。
最後に小粒納豆を登頂。生卵の卵黄でも美味いと思いまっす。トマトと納豆は味が濃いので、美味しいオリーブオイルを混ぜると、味が一気にまろやかになりまっす。
↓↓トマトの納豆パスタの食材↓↓
タケノコの納豆パスタ
春の食材タケノコと納豆も相性よし。味はもちろん、シャキシャキの筍の食感とモチモチの納豆の食感もハーモニーを奏でる。恐ろしいほど超簡単な演奏。
タケノコの納豆パスタの食材
- ガロファロ1.5mm:100g
- 筍:たっぷり
- 納豆:1パック(大粒)
- 九鬼のごま油:大さじ2
- 鮎の魚醤:大さじ1
スーパー和風。和風パスタを代表する納豆パスタの和風感をバイキルトするため、和を以て貴しとなすの食材を集めた。別名・聖徳太子の十七条憲法パスタ。
タケノコの納豆パスタのレシピ
- 筍を食べやすい大きさに切る
- ごま油で筍を炒める
- 茹でたパスタを投入
- 鮎の魚醤を入れて混ぜる
- 皿に盛って納豆を登頂させる
食べやすい大きさに切った筍を大さじ2杯の九鬼のごま油で炒める。火力は中火で。タケノコは時間がかかるのでパスタはこのあと茹でる。
タケノコに焼き色がつくまで、納豆を混ぜ混ぜしておく。鮎の魚醤は先に入れてもOK。
パスタを投入してから鮎の魚醤を加える。ひたすらマンテカトゥーラ(鍋を振る)
納豆が登頂したらお疲れ様。聖徳太子に食べてほしい納豆パスタの完成。オリーブオイルをまわしかけても美味しい🎶
↓↓タケノコの納豆パスタの食材↓↓
納豆パスタにまつわるエトセトラ
納豆キムチパスタの材料
納豆キムチパスタのレシピ
- 茹で汁100ccをフライパンに入れる
- 韓国海苔と魚醤を入れてソースに溶かす
- 納豆、キムチ、ごま、バターを入れる
- 茹でたパスタをフライパンに投入
- お皿に盛って追いごま、卵黄を乗せる
最後までご覧いただき、あリガトーニ。